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放っておけない「実家」の話 セミナー講師を務めました

5月29日、静岡銀行主催のセミナーにて講師を務めました。

セミナーのテーマは
放っておけない「実家」の話 ~空き家が負の財産になる前に~
という、「空き家」問題を主としたもので、リアルの会場とWEBでのハイブリット開催でした。
設営いただいた静岡銀行のご担当者様に感謝です。

第1部は静岡鉄道 不動産住まい事業部 鈴木雄大課長が登壇され、
「いつかおとずれる実家の空き家問題」というお題で講演されました。
空き家の活用方法について、最新のデータを踏まえ、不動産事業者の視点からわかりやすくお伝えいただきました。

わたしの講演テーマは「家族で考える実家の相続」です。

前半は、社会問題である「空き家問題」と「所有者不明土地問題」が引き起こすリスクや、この問題への対策として不動産登記法と民法の改正に関する情報(相続登記・住所変更登記の義務化、相続土地国庫帰属制度の創設、遺産分割に関するルールの変更、新たな財産管理制度の創設など)についてお話をさせていただきました。
いずれも、「空き家を生み出さない」「発生した空き家問題を速やかに解消する」ための改正で、今後の適切な運用が期待されます。

後半は、わたしが携わった事例をもとに、
「空き家の発生原因」
「空き家発生予防策」
「発生した空き家問題の解消方法」
などについてお話しました。

予防策として一番大事なことが、家族間での情報共有です。この辺りは重点的にお伝えしました。
また、遺言、任意後見、家族信託や、リースバック・リバースモーゲージの活用などにも触れ、それぞれの制度のメリット、デメリットについてお伝えしました。

事例紹介は会場の皆様の関心が高く、一生懸命メモを取っていただいている方もおられました。

さて、空き家発生の原因は、一言でいえば、「準備不足」に尽きるのですが、そもそも「準備しよう」という気になっていないご家族が大半です。

どのご家庭でも、ご自宅やご実家が空き家になる可能性はあります。
このセミナーを契機に、それが頭の片隅に残っていただければ嬉しく思います。

ご自宅やご実家が「空き家」にならないよう、早めの準備を心掛けたいですね。

「お宅の屋根、今すぐ修理しないと」にご用心!

こんにちは。スタッフの大谷です。

先日、わたしの父(77歳)が庭木の手入れしていたところ、見ず知らずの男性が近づいてきたそうです。
「お宅の屋根、ひどいことになっているよ。今すぐ修理しないと大変なことになるよ。疑うなら写真見せようか」
雨漏りもしていないのに、知らない人からいきなりそんなことを言われ、腹が立った父は「お付き合いのある工務店さんがいるからいい」と追い返したそうです。
母に話し、最後に塗装してから時間が経っているので、一応見てもらおうということになり、いつもリフォームなどを依頼している工務店に電話をしました。

結果。
経年劣化はしているものの、今すぐ大掛かりな工事が必要ではないと、気になるところだけ修理してくれました。
工務店さんによると、屋根やシロアリといった危機をあおり、工事を勧めるようなトラブルや詐欺がやはりあるそうです。中には、無料診断をしますと言って、屋根に上がり、割れてもいない瓦を割って、修理が必要だと迫るようなかなり悪質なケースもあるとのこと。
年寄りだと思って足元を見られたと、父はまた怒っていました。
今回は事なきを得ましたが、高齢者をターゲットにした詐欺を身近に感じた出来事でした。

「大変だ」「今すぐ工事しなければ」と言われれば、心配になるのは当然です。
しかし、そういうときこそ慌てずに対処しなければならないと思いました。
対処方法としてはまずは次の4つです。

①家族に相談
突然やって来た見知らぬ人を、すぐに家の中に入れたり屋根に上らせたりしてはいけません。
「キャンペーン中」「お得ですよ」に惑わされず、一人で判断しないで、いったんご家族に相談しましょう。

②別の専門家の意見を聞く
医療分野にセカンドオピニオンがあるように、違う専門家に意見を聞いてみましょう。また、普段から気軽に相談できる業者さんがいると、このような時に心強いと思いました。

③ご家族と日ごろからコミュニケーションを
特に、ご高齢の親御さんと離れて暮らしている方は、こんなこともあるから気を付けて、とお話をされることを強くおすすめします。

④クーリングオフの利用
もし契約を結んでしまったとしても、方法はあります。
契約を結んだ後に申し込みを撤回したい時は、クーリングオフという制度を利用することができます。
クーリングオフは、契約から8日以内に書面で行いましょう。
書面のコピーを保存し、配達証明や書留など、配達の記録が残る形で相手方に送ります。
書面は自分で書くこともできますが、不安な方は司法書士や弁護士などの専門家にご相談ください。
消費生活センターでも書き方を教えてくれます。静岡市にお住まいの方なら、静岡消費生活センター(電話 054-221-1056)へ相談してみましょう。

ただ、実際に被害に遭ってしまってからでは、元通りに回復することは難しくなってしまいます。

人を疑うなんて… と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、用心するに越したことはありません。
少しでも怪しいな、胡散臭いなと思ったら、ためらわずに断りましょう。